[会館・施設]の建築と社会学を考える
実はここ数年、富永研究室では「都市空間と社会運動」をテーマに研究プロジェクトを行っている。当初はDIYによる空き家改築と活用が中心であったが、維持や補修、清掃といったメンテナンス行為も、私たちが家や職場といった私的領域、あるいは公園などの公共空間に愛着を抱きつつ、インフラを維持する重要な活動だと考えている。
そうした観点から見ると、地域住民や中間集団、相互扶助団体による[会館・施設]はとても興味深い。会館・施設といっても、町内会館や子ども館といった比較的誰でも入ったことのあるようなものから、労働組合の会館や宗教施設までさまざまであるが、重要なのは組合員や会員がメンテナンスや内部でのイベントに関わっているという点だと思う。数もめちゃくちゃ多く、自治会・町内会館は日本に200,000以上あり、労働組合会館、婦人会館・女性関連施設でもそれぞれ400超、宗教施設も数万という数で存在するという。そうした[会館・施設]の数だけ集団による自治があると思うと、調査・研究せずにはおれなくなり、いま、プロジェクトとして起動しているところである。
前置きが長くなったが、10月25日に[会館・施設]のシンポジウムを大阪で行う予定です。こうした[会館・施設]は、戦後日本においてどのような役割を果たしてきたのか、また現代社会においてどのような役割を果たしうるのかについて、建築を軸に社会学を研究してきた松村淳さんと、宗教社会学者である白波瀬達也さん、また労働組合会館である「海員ビル」の改修に携わった藤本貴子さん・木原進さんと議論する予定である。もしよろしければ、是非ともご参加ください。
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公開シンポジウム「人が集まることと[会館・施設]の社会学① 隣保館・宗教施設・労働組合会館から公共建築を考える」
登壇者:松村淳氏(神戸学院大学)白波瀬達也氏(関西学院大学)
藤本貴子氏(法政大学)・木原進氏(梅ノ木文化計畫)
司会:富永京子(ウィーン大学/立命館大学)
開催日:2026年10月25日(日)
シンポジウム:15:00-17:00
講座・見学:13:30-14:40「まちづくりの中心を担う隣保館について」
※シンポジウムのみのご参加も可能です
開催地: らいとぴあ21(箕面市立萱野中央人権文化センター、大阪府箕面市萱野1丁目19−4)
開催形式:対面
参加登録フォーム:https://forms.gle/5F1ufz5CsTZf7Yn78
お問い合わせ: 立命館大学富永研究室(ritstominagalab@gmail.com)
「会館」という場に、あなたはどのようなイメージを抱くでしょうか。町内会館や労働組合会館、婦人会館は、戦後日本において、地域住民や労働者の助け合いの拠点となり、また、市民の要求を公助へと押し上げる役割を担ってきました。しかし現代において、こうした施設が果たしてきた社会的・公共的機能が広く知られているとは言えません。
本シンポジウムでは、現代の公共建築と市民参加の関係を論じてきた松村淳氏、宗教の社会貢献を研究する白波瀬達也氏、そして日本を代表する労働組合会館「海員ビル」の改修に携わった藤本貴子氏・木原進氏にご登壇いただきます。隣保館、宗教施設、労働組合会館という、一見すると異なる成り立ちをもつ施設を横断的に捉え、「会館」をめぐる歴史的・社会学的知見と、建築の改修・運営をめぐる実践的知見を交差させます。それにより、現代社会における「公共建築」とは何かを問い直し、人が集まり、支え合い、社会につながる場の可能性を考えます。
当日は暮らしづくりネットワーク北芝より「まちづくりの中心を担う隣保館について」と題して、隣保館に関する講座と館内・館外のご案内もいただきます。
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